2011年5月14日土曜日

米軍の軍用犬。ニューファンドランド・ダッチシェパード・ベルジアンマリノア

(Global Animal記事翻訳)
One Dog and 79 Commandos Kill Osama Bin Laden May 5, 2011UPDATE Author Jeon


ニューヨーク・タイムズによると、オサマ・ビンラディンを殺害した部隊は79人のネイビーシール隊員と1匹の犬だった。その犬種、性別、作戦中での役割は未だ不明だ。だがビンラディン襲撃を遂行したネイビーシールは、ニューファンドランドと長く行動をともにしてきた。ニューファンドランド犬は「水上救助と牽引能力」で知られているワーキングドッグ(作業犬)だ。ゆえにこの犬種が、陸地に囲まれたパキスタンでの作戦に配置されたかは定かではない。

ニューファンドランド犬(ニューフィー)は、ヘリコプターからジャンプして水中の人間を救助することができる。ネイビーシールの他にニューファンドランドは、ヨーロッパで犬のライフガードとして沿岸警備隊とともに働く。実際、沈むタイタニック号に乗船していたこの犬種は3時間凍る海を泳ぎ、吠えて救助船に知らせたのだ。

体重150ポンド、体高2フィートのニューファンドランドは「非常に強壮、生まれながらの救助犬、黄金の心を持つ」と言われている。この犬種の救助本能は性来のものであり、ボートから飛び降りて溺れる人間を助けることで知られている。またこの犬種の体は水に適応したものだ。と言うのは、彼らは水かきと撥水性(水をはじく)の毛皮を持っているため、水に浮く良いスイマーであるからだ。

米陸軍の軍用犬アンディ、目標家屋外部の瓦礫とゴミの中を調査中。
東バクダッドのルサファにて。

より高い可能性としては、ビンラディン襲撃の軍用犬は高度に特殊な任務に使用する小型のジャーマンシェパードだったのだろう。すみやかにブービートラップや狙撃兵を発見する犬もいる。犬の鋭い嗅覚と聴覚が、これらの危険を人間よりも効果的に察知させるのだ。最良の偵察犬は、扱いやすい追跡犬と獰猛な攻撃犬の気質を半分ずつ兼ね備えていると言われている。

軍用犬が前線に投入されることはまれだが、その役割は多岐にわたる。

伝統的に、通常この種の軍事作戦に投入される犬種はジャーマンシェパードだった。最近ではより打たれ強い犬種、例えばベルジアン・マリノアやダッチ・シェパードなどに移行している。こういった犬たちは、偵察とパトロールに必要なより鋭い嗅覚を持つと言われている。今日では、軍用犬は訓練後に兵士ひとりとペアを組む。この兵士はハンドラーと呼ばれる。普通ハンドラーは1匹の犬と両者の従軍期間中を通して組むことはないが、少なくとも1年間は同じ犬のパートーナーとなり、時としてこの関係はより長期になることもある。

また、軍用犬にとって好ましい状況になった。2000年以前には、老齢の軍用犬は安楽死させられた。だが新たな法のおかげで、退役した軍用犬は里親に引き取られるようになり、この最初の例がレックスという犬である。彼のハンドラーはイラクで戦死した。

1970年代、アメリカ軍は世界中に1,600匹以上の軍用犬を抱えていた。現在は人員削減により、アメリカ陸軍の軍用犬はおよそ530匹に減少した。

ビンラディン襲撃作戦に参加した軍用犬のさらなる詳細について、グローバルアニマルは入手しだい可能な限り速やかに報告するだろう。


読後の感想:
前回の記事と重複する情報があるので掲載を迷ったけれど、「アメリカの軍用犬が2000年以前は安楽死させられていた」という記述が気になったのでやはり掲載した。
なぜ安楽死? 軍用犬は退役しても、もう日常生活に馴染めない気質になってしまうから? 危険だから一般人の里親を募ることができないから? もしそうなら、米政府や軍が引退軍用犬の収容施設を作って最後の最後まで世話をするべきだったのに。