(BBC記事翻訳)
カーディフ大学のエイドリアン・パウエル氏は”コーギーの骨”を調査している。
中部ウェールズで見つかった9世紀の骨は、王族に飼われた最初のウェルシュコーギーの証拠だと考えられている。
暗黒時代の遺跡を調査していたカーディフ大学の考古学者たちは、コーギータイプの犬の骨を発見したのだ。
ウェールズ、カーディフ大学のパウエル氏が”コーギー”の骨を調査。
ブレコンに近いこの場所は、古代ウェールズ王国王族の住居だと考えられている場所だ。
カーディフ大学のチームは、ブレコンの第9代国王の住処だったと思われるクランノグ(湖の上の人工の島)で発見された人工遺物を詳しく調査している。
同大学のジャッキー・メルヴィル博士は述べた。「私たちはコーギーサイズの犬の前脚を入手しました。これは古代の王族のコンパニオンとして愛された犬の可能性があると、私たちは考えています」
ウェルシュ・コーギーと王族の関係は長い。
コーギー犬とイギリス王族の関係は長い。
「私たちはランゴースにあるこの遺跡の食物の残骸を調査しています。ここは初期王家の住居だったと私たちは考えています」
「発見された骨は、普通の大きなグレイハウンドタイプの狩猟犬のものもあります。ですが私たちは、コーギーに似た短いガニ股の前脚を発見したことに興味を引かれたのです」
「現代の犬種は最近開発されたものですが、発見された犬の骨はコーギーによく似ているようなのです。そこで私たちは、ウェールズにおけるこの種の犬の最初の例ではないかと考えているのです」
今日の王族と違って9世紀ウェールズの王族は、コーギーをペットとして飼っていたとは考えられてはいない。
「恐らくこのコーギーに似た犬は、当時のワーキングドッグだったのでしょう。コーギーは牧畜犬ですから」ジャッキー・メルヴィル博士はつけ加えた。
「この王宮跡では牛が飼われていたという証拠があるのです」
”コーギー”はウェールズ語で”ドワーフ・ドッグ”という意味がある。
メルヴィル博士はさらに述べた。「1200年間におよぶコーギーと王族との関わりの可能性に、コーギークラブはかなりエキサイトしていますよ」
コーギークラブの名誉書記シルヴィア・ヒューズさんは語った。「クラブのメンバーたちはとても興奮しています」
「コーギーと王族の関わりについてはかなり噂されてきましたが、これは嬉しいニュースです」
「多分コーギーは村の犬として育成されたのでしょう。この犬は器用ですから。そしてコーギーは素晴らしい愛玩犬でもあるのです」
「コーギーはとても賢く、人間が大好きなのです」
ランゴースレイク・クランノグ時代の年輪は、この住居が西暦889年~893年の間に建てられたことを示している。
アングロサクソン・クロニクル(年代記)には、西暦916年にランゴース付近がイギリス軍によって破壊されたという記述がある。
この遺跡からの人工遺物は2004年の9月まで、ブレコンのブレックノック博物・美術ギャラリーに展示される。
読後の感想:
訳している間ずっと、湖上の住居クランノグに暮らす古代ウェールズ王族とコーギーのご先祖たちの様々な情景が頭の中に浮かんできて、どっぷりと古代ウェールズの世界に入っていた。こういう記事を読むたびに、ますますコーギーという犬が好きになっていく(たとえ短足でガニ股な犬でも!)。
これは、このブログを始めて100本目の記事になる。やはり100番目のエントリーはメインコンテンツのコーギーと彼らの故郷であるウェールズ関連の話を掲載したかったので当記事を選択した。
※関連記事へは、”ウェールズ王族とコーギーが暮らした王宮クランノグ”からどうぞ。
英文記事:First 'royal' corgi bones found
Last Updated: Wednesday, 21 April, 2004, 12:33 GMT 13:33 UK