2011年6月19日日曜日

コーギー誘拐事件。名探偵ミス・マープルが解決

(Daily Mail記事翻訳)


92歳の未婚夫人、フローレンス・ベチュレットさんが小旅行から帰宅したとき、飼い犬のコーギー犬が行方不明になっていたので、彼女は飼い犬が逃亡したのだと思った。

止めてあった自動車に、歩行杖を持った女性がコーギーを連れ込んでいたという目撃情報を聞いたとき、(この事件を解決するには)ミス・マープルのような探偵調査が必要かもしれないとベチュレットさんは考えた。

この歩行杖を持った女性に当てはまる人物は、2年半前に仕事を辞めた、ベチュレットさんの元家政婦で介護人だった80歳のベティ・ランドソンだった。


イギリスのジャージー島で誘拐されたメスコーギーのコーラル。

ジャージー島のセント・オーエンに住むベチュレットさんは、膝の手術のためにイギリス本島に戻ると話していたランドソンさんが、実際は出発予定の日にジャージー島から旅立っていなかったこと知った。代わりに彼女はホテルを予約して、もう2日間島に残っていたのだ。このために彼女は、イギリス本島行きの船に乗る前に、コーラルという名のコーギーを誘拐することが可能だったのだ。

「信じられない。ベティはとても良く私の世話をしてくれたの。だから私は、その点に関しては彼女を悪く言うことはしない。彼女はいつも、私よりも多くコーラルと一緒に過ごしていたわ」と、ベチュレットさんは語った。

アガサ・クリスティの未婚探偵ミス・マープルのやり方を真似て、ベチュレットさんは何とかオックスフォードシャー州ファリントンの、この元家政婦の転送先住所を突き止めた。そしてこの情報をテムズバレー警察に伝えた。

警察は、ランドソンさんと3歳のコーギー犬が一緒にいるのを発見した。そしてこの犬をベチュレットさんの元に返す手配をした。だが、この手続きと送料には658ポンドかかる。

「ベティに請求書を送ったわ。もし彼女が払えなければ告訴するしかないわね」と、ベチュレットさんは語った。

(一方)ランドソンさんは、この費用を払うつもりはないと述べた。

「コーラルはちゃんと世話をされていなかったの。だから、私があのコを連れて来たのよ。フローレンスはコーラルのことを、ほとんど気にかけていなかったわ。私は自分がしたことを全く後悔していない。私とコーラルはとても仲良しで、私はあのコと別れるのが寂しかったの」と、ランドソンさんはつけ加えた。

「でも、今回コーラルを一時的に失ったことでフローレンスもわかったと思うわ。これからは彼女、もっとあのコを大切にするでしょうね」

テムズバレー警察の広報官は、この婦人たちが裁判で争うようなことはないだろうと述べた。

誘拐されたコーギーのコーラルと飼い主のベチュレットさん、無事に再会。


外国人のコメント:
「盗みは盗み、この女性は告発されるべきだ。この記事は何が言いたいんだ? 盗みを認めろって言っているのか? むかつくなぁ。それと、警察のトップも変えた方がいい」

「もしランドソンという女性が、このコーギーがちゃんと世話されていないと感じたなら、彼女は保護団体に連絡すべきだったのよ」

「コーラルは痩せた方がいいと思うわ! このコが3歳って信じられない。でも、すごく可愛い犬!」

「この記事だが、なぜこのコーギーの指示代名詞に“it(それ)”を使うんだ? この記事を書いている人間と同様に、この星の全ての犬には性別があるんだぞ。だからこの犬は“彼または彼女”だ」

「老婦人同士がこんな争いなんて、良くないわね」

「酷なことを言いたくないけど、92歳の女性と3歳のコーギー? 明らかに彼女、この犬を生涯に渡って世話してあげられないじゃないか。この犬を里子に出す良い家を彼女が知っていることを望むよ。こういう高齢者が子犬を飼うのってどうなんだろう。家と愛する飼い主を失ったら犬たちは悲しむぞ」

「犬を盗むのは犯罪だ。まぁ、ベチュレットさんはランドソンさんにチャンスを与えてあげて、ランドソンさんはありがたく思って反省すべきだな。で、かかった費用を返すべきだ。さもなければ、彼女の行為は罰せられるべきだ。その場合は警察がちゃんと役目を果たすことを願いたいな。他の人間もこの記事から学んで欲しい」

「もしランドソンさんが犬を欲しければ、レスキューセンターにたくさんいるだろ。犬を盗むなんてとんでもないことだ! この犬が飼い主の元に戻れてなによりだ」

「気の毒に。どちらの女性もコーラルをとても愛しているのね。ベチュレットさんが亡くなったとき、彼女がこの若い犬を託せるランドソンさんのような人がいることを祈るわ。彼女たちが、こういう取り決めを話し合わなかったことが残念よ。何て美しい犬なのかしら。確かにこのコなら、愛情の綱引きの対象になるわね!」


読後の感想:
 コーギー+探偵風味な私好みの記事なのでワクワクしながら読んでいたら、外国人読者の意見が結構シビアで少し驚いた。もちろん他人の犬を盗んだら泥棒だけれど、この犯人の場合は情状酌量の余地があるような……。
確か、”権利の主体になれるのは人間だけで、動物は権利の客体”だという。つまり、日本では犬は物扱い。だからもし愛犬を盗まれても、日本では誘拐ではなくて盗難ということになるのだと思う。
初めてウチのコーギー連中を電車に乗せたとき、270円の”手回り品切符(荷物用の切符)”が必要だったけれど、そのときに「あぁ、犬って荷物なんだなぁ」と、なんともいえない気分になったことがある。旅行前は”犬用のグリーン券ってどうやって買うの?”と本気で心配していたけれど、犬は”荷物”だからグリーン券など必要なかった。目的地までの車中、座席の足元に置いた犬用キャリーカートの中で大人しくしてくれている2匹に対して、なんだか申し訳ないような気持ちになったのを今でも覚えている。
海外の法律でも犬は物扱いなのかな?

英文記事:
Corgi-napped! Dog owner, 92, does a Miss Marple to solve the mystery of her missing pet
By David Wilkes and Claire Ellicott Last updated at 11:23 PM on 21st March 2010
http://www.dailymail.co.uk/news/article-1259631/Corgi-napped-Dog-owner-92-does-Miss-Marple-solve-mystery-missing-pet.html