Pet rescuers brave Fukushima danger zoneFrom Kyung Lah and Whitney Hurst, CNN
April 14, 2011 -- Updated 1019 GMT http://edition.cnn.com/2011/WORLD/asiapcf/04/13/japan.nuclear.pets/
↑リンク先には、この記事に出てくる動物たちの映像もあります。
その映像はひどかった。それは、チェルノブイリ以来最悪の放射能事故(を起こした原発)周辺の立ち入り禁止区域の中で柱に繋がれ、毛皮ごしに肋骨が浮き出たビーグル犬がクンクン泣いている、というものだ。
久しぶりに与えられた食事を貪る、肋骨が浮き出てやせ細ったビーグル。
この映像は、福島第1原子力発電所から数キロメートルの地域を自動車で移動しているフリーランスジャーナリストたちによって撮影されたものだ。彼らはこの犬に餌を与えた。だが、勇敢にも福島原発の避難区域内で活動している動物救助活動家は、このビーグルのような動物が他にもたくさんいると言う。
「私は、放射能やその他の危険はわかっています。でも、このままでは動物たちは餓死してしまいます」と、日本の震災動物救援団体のイザベラ・青木・ガラオンさんは述べた。
被災地で動物の救出活動を続ける、新潟アニマルフレンド代表の青木さん。
青木さんと、その他の志を同じくする仲間は、避難を強いられた飼い主たちが残してきたペットの救助と家畜に餌を与えるために、福島原発周辺の半径20キロメートルに侵入している。ペットの飼い主たちは、避難が短期間であると思っていたために置き去りにしてきた自分たちの動物を救って欲しいという願いを込めて、彼女の団体に自宅の住所を連絡しているのだ。
この犬は、病死かあるいは餓死したようだとCNNのキャスターは伝えている。
1か月が過ぎた今、ボランティアたちは自らの長期的な健康を危険にさらし、保護服を身につけて、事故発生後すぐに立ち入り禁止となった原発周辺の半径20キロメートル地域に入っている。イトウ・ヒロコさんの5歳の柴犬のノンも、青木さんの団体に救出された犬である。イトウさんは柴犬のためにフードを置いてきたという。だが、それは1カ月分には足りなかった。
「私たちはノンを助けようとしたんです。でも、できなかった……」とイトウさんは話した。
やっと飼い主たちに再会できた柴犬。長く放置されたトラウマと混乱から、初めは飼い主さんの呼びかけにも応えられないほどだった。
日本で動物救助活動をする女性
カメラマンのオガワ・シュウジさんによって報告された放射能レベルは、ただちに健康被害を及ぼすほど高くはないが、長期の被曝を受ければ潜在的な健康被害をもたらすものである。青木さんは、この危険を承知している。「でも私は、(動物を救えるならば)これはあえて危険を冒す価値のあることだと思います」
動物の飼い主たちが避難を指示され、原子力発電所の冷却システムを破壊した3月11日の地震と津波以来、放射能物質をまき散らしているこの原発周辺の他の地域に避難指示が拡大した今、首相官邸から市庁舎まで、動物に回す支給物質はないのだと日本政府はCNNに語った。
これは許しがたいことだと述べる青木さん
「人々のことで、日本政府が手いっぱいなのはわかります。彼らは多くのことに対処しているのだから」「でも、私が言いたいことは、(動物たちを)救いたいと考えている人々やグループがいるということです」
(フリーランスジャーナリストの)オガワさんとトヨダさんが撮影したビデオのビーグル犬の運命は、木曜日の時点で未だ不明である。
読後の感想:
これは4月14日にCNNで放送されたニュース。上のリンク先から飛べるCNNの記事に付属しているビデオは、スカパーのCNNで放送されていたものとは別バージョン。TV放送版のほうは、青木さんという保護団体の代表がCNNの男性キャスターのインタビューに応じていた。女騎士のような凛々しいカンジのこの女性は、被災動物救助関連の海外メディアの記事によく登場する活動家さんで、新潟アニマルフレンドという団体の創設者。
ビデオの中でCNNの女性キャスターが言うには、「日本政府も自治体も、動物の福祉について議論する余地はないし、現在動物救出の計画はない」とのこと。それはそうなんだろうけど……やっぱりこれが日本の政治屋さんのクオリティ……って、言うだけで何もできない私には偉そうなことを言う資格はないので、この記事に対する個人的な感想は控えるけれど、最初あのビーグルを見たときは思わず息をのんでしまった……。
なお、フリーランスジャーナリストさんたちは、飼い主が迎えに来ることに望みを託して、この犬をそのまま置いてきたらしい……。一方、柴犬のほうは無事飼い主さんと再会できた模様。