http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5hl__e4edLqqCQq-BAWuvhI5hB_wQ?docId=CNG.c7e2f3ac6e6f3e31f7a65b32cc3266c1.221
空腹で傷つき、そして飼い主からはぐれ、その飼い主は死亡したか避難施設にいるかどちらかの、多くのペットが津波に流された日本の東北沿岸地域で生き延びる戦いをしている。
ここ50年で日本最悪の自然災害の後、生存者と遺体の捜索のために、世界中から送られた多くの救援隊の中に、ごく一握の、動物救助を専門にするグループもまた活動していた。
最も被害を受けた地域では、動物一匹見かけることはなかったと、動物保護グループPETAのアシュレイ・フルーノさんは述べた。
あるとき私たちは、泥土の上にいくつかの肉球の足跡を見つけた。だが、その足跡はそこで消えており、近隣に動物の姿は発見できなかった。
ゆっくりと、だが確実に、破壊的な津波から何とか逃れた損壊した家々から、見放されたペットが姿を現し始めた。
津波警報が発令されたとき、多くの飼い主が彼らの犬や猫を置いて逃げた。みな、その津波がこれほど大きく激しいものだとは想像しなかったのだ。
残された動物たちは、フードも水もない過酷な環境下で、自らの身を守らねばならなかった。
日本の動物保護救援団体JEARSは、直ちに動物福祉グループの連合を組織した。彼らは過去2週間の間、最も被害が甚大な海沿いの町を探索した。
数人のボランティアの獣医師を含むこのチームは、飼い主を失ったペットのために、フードの提供、怪我を負った動物の手当、そして一時的な受け入れ施設を探す活動を行った。
さらに彼らは、避難施設を訪れている。ペットと共に逃げてこういった施設にいる飼い主は、現在そこでペットと共に暮らすことで困難に陥っている。窮屈な仮の生活施設で、ペットは必ずしも歓迎されるものではないのだ。
「避難施設において、ペット連れの人々とそうでない人々の間には緊張があり、問題が生じています」「ペットアレルギーがある人もいて、犬が吠えたり喧嘩したりする、と苦情があります。これは仕方がないことでしょう」と、ササキ・カズマス獣医師は言う。
避難施設がペットの連れ込みを拒否しているため、壊れた自宅に留まることを選択する人々もいる。JEARSのコーディネーターであるアオキ・Gallaonさんは、ペットは動物用のシェルターでも上手く暮らしていけると、避難所暮らしの飼い主たちを説得することは難しい、と述べた。
避難所の飼い主たちはペットを自分らの家族だと考えている。いろいろな苦境に見舞われた今、ペットは彼らの唯一の心のよすがであり、唯一のなぐさめなのだ、とも彼女は言う。
夫と共に津波を生き延びたタカザワさんは、仙台市の混雑する避難所に暮らす他の被災者からのクレームにもかかわらず、彼らの飼い犬を手放すことを拒んでいた。
「津波から逃げるとき、私たちは何も持たずにただモモだけを連れて逃げたのよ」「モモと離れるなんて考えられない。モモをここに置けないと誰に言われても、私たちは彼女と一緒にいるわ。一緒にどこへでも行くつもりよ」と、65歳のタカザワさんは言った。
巨大な津波を生き延びた動物たちに関する多くのストーリーが呼び物となっている。特に目立つものは、2キロメートル内陸に流された水田から救出されたハツカネズミの話だろう。
そして、住人数100人を大きく上回る野良猫がいることで、地元では「猫の島」と呼ばれている宮城県のタシロ島の例もある。
小さな島は津波にのみこまれた。だが、ヘリコプターで救援に来た救助隊の報告では、住人と猫たちは無傷であったという。
仙台の津波監視人のカマタさんは、迫り来る津波のことを近隣の人々に報告した後、彼の飼い犬である大きな秋田犬を取り戻そうとした。だが、あまりの津波の激しさに、その努力は徒労に終わった。
「彼はもう生きてはいないと思う……。とても辛い」と彼はこぼした。
だがその夜、他の被災者と避難所にいたとき、避難所の外に犬がいるとカマタさんは聞いた。
「私の犬だったんです。彼は泳いで私を見つけたんですよ。たくさん海水を飲んでしまって吐き続けていたので、死んでしまうかと思ったけれど回復したんです」と、カマタさんは話した。
生き抜いた動物の心温まる物語はともかく、PETAのフルーノさんは、しばらくの間動物愛護グループは、津波の被害を受けた地域で忙しく活動するだろうと述べた。
「数年とは言わないまでも、この災害からの回復には数カ月を要するだろう」と彼は述べた。
「最大の被害を受けた地域の人々は、これからもペットフードや動物医療用品、そして、住居を失った彼らの保護者が新たな住みかを見つけるまで、動物たちを収容するアニマルシェルターを必要とするだろう」
読後の感想:
犬を2頭飼っているので、私にも他人事ではない記事。世の中には、犬猫や動物を好きな人も嫌いな人も、どちらもいて当然。ペット好きとペット嫌いは永遠に交わらない平行線、議論してもしかたがない。でもこれだけは言える。人間と動物どちらを優先すべきかと問われたら、迷わず「人間」。私はウチのコーギーたちが大好きだけど、彼らは「家族」ではなくてあくまでも大切な「同居犬」。だから、もし自分なら、避難施設の駐車場でウチの2コギと車上生活させてもらうと思う。
それにしても秋田犬は逞しい。大型犬って逞しいのに穏やかな個体が多い気がする。今までご近所さんでも、大型犬で気性の荒いワンコには出会ったことがない。筋肉質の大きな体を撫でさせてもらうと幸せ。やっぱり大型犬は、自分に自信があるから吠えたり虚勢を張ったりしないで余裕たっぷりなのかな? 人間も、本当に自分に自信がある人ってギスギスしていない人多いから犬も同じ──と、人間くさく考えてみたり……。