2011年4月10日日曜日

“フクシマ50”に迫る「死」と外国人の意見(The Sun記事和訳)

Fukushima 50 'deaths imminent'
By STAFF REPORTER
Published: 01 Apr 2011


“フクシマ50”と呼ばれるヒーロー原発従業員たちは、自分たちは数週間のうちに死亡すると信じているのだということを、身内のひとりが明らかにした。

ある作業員の母親は、彼女の息子は自分が数週間以内に死亡するかもしれない──もしそうでなくても、より長期的な期間のうちに放射能は彼らの生命を奪うだろう、ということを受け入れたのだと語った。

「息子と同僚たちはこのことについてじっくりと話し合ったんです。そして彼らは、もし人々を守るために必要ならば、我が身を捧げようと決めたんです」

「彼らは、短期的には恐らく放射能由来の病気で全員死亡するか、または長期的にがんで死亡するということを受け入れたんです」

「彼らのうちの誰かは数週間か数カ月以内に死ぬかもしれない、という結論を彼らは出しました。彼らは、自分たちが致命的な放射能に晒されずには済まないことを知っているのです」

1シフトを50人で作業することから“フクシマ50”と呼ばれているおよそ300人の作業員は、原発危機の戦いの中で高レベルの放射能中毒を患う危険があるのだ。

損壊した原子炉の冷却システムを復旧するための戦っている男たちが、ついに彼らの使命を終えた時──その最悪の時のために近親者は覚悟をしている。

3月11日の地震以来、合計11,500人の死亡が確認された。その他16,400人が未だに行方不明であり、数十万人が避難施設で暮らしている。

世界で最も発達した国のひとつ(の日本)での災害から3週間後、260,000世帯が未だに水道水がなく、170,000世帯が停電している。

また、日本の通商大臣カイエダ・バンリは、津波に破壊された地域で生きる動物たちが、食糧不足のために共食いを始めていることを明らかにした。

農民に置いて行かれた鶏や豚はだんだんとひどい状況になっており、「災害から大分時間が経っているので、共食いの話なども聞いている」と彼は述べた。

管直人首相は、損壊した福島第1原発が制御下になったと述べるには時期尚早だと述べた。

アメリカとドイツは、原発を修理・探索するためのロボットを送っている。

原子炉付近の地下トンネルの汚染水の放射能は、通常の10,000倍に達した。そして、この場所からは尋常ではないレベルの放射性セシウムが発見された。

原発付近の海水は検査され、法定の4,000倍の放射能レベルであることがわかった。原子炉の燃料棒を冷却するために使用されていた海水は、海洋に零れて漏れ出している。

放射能の脅威のために、数千の犠牲者の遺体が収容されずにいる。

日本の原子力保安院は今日、最新の大気と海水と地下水の放射能測定の見直しを指示した。

英国のNational Nuclear Corporationの安全政策ユニットの元メンバーであるジョン・プライス博士は、「水漏れしているのに水を注ぎ続ければ、漏出は永遠に続くだろう」と述べた。

「原子炉は閉鎖され、燃料棒は回収されなければならないだろう。(その作業には)50100年間かかるのだ」

政府官僚は放射能濃度値が疑わしいほどに高いと考えている。福島原発の持ち主の東京電力は、ミスのたびに数字の撤回を繰り返し余儀なくされている。

12マイルの避難区域から避難している人々の間には怒りが大きくなっている。

「避難区域内が危険なことは間違いないわ。東電が私たちの生活をめちゃくちゃにする前に、彼らが安全について考えてくれることを望むだけよ、私は……」と、ミナミソマの看護師で52歳のヒロハラ・カズコさんは語った。

原発から25マイル離れた村の放射能値が高くなったため、国連は避難地域の拡大を提案した。



この記事に対する外国人のコメント:
・以前日本に住んでいたが、日本人の勇気と無欲さには恐れ入ったよ。イギリスのダメな連中とはえらい違いさ。

・無実の人々ではなくて、日本に原発を建てたゾっとする豚が、この大惨事を改めるために現場へ行くべきだ。作業員はこの仕事のために給料をもらっているが、それは生命に値するのか?

・彼らを尊敬する。私にはできないことだ。

・他の多くを守るために自らを危険にさらす真に勇敢な人々、あなたたちに神の祝福があるように。

・思うに、彼らはわりとすぐに死ねるから幸運だろう。政府が本当の放射能値を隠しているせいで、ゆっくりと死んでいく人々はどうだろう。

・私の心は彼らひとりひとりと共に。

・この人々を尊敬するし、全ての良き神が彼ら全員を祝福する。

・神は彼ら全てを祝福する。

・真のヒーローたち。彼らの同胞のために死ぬことをためらわない。

・彼らは本当のヒーローだ。

・断層線の上に暮らしているのに原発の建設を許可するなんて、信じられないな。



読後の感想:
イギリスのタブロイドThe Sunは、日本で言うなら写真週刊誌なノリの大衆紙なので、記事は大袈裟だったりアレだったりする。だから” Fukushima 50 'deaths imminent'”なんていう一見ギョッとするタイトルでも、実は何のことはない、記事の中身は一従業員男性の母親の個人的な見解にすぎない──というオチ(この女性が実在の人物かも怪しい)。そんなカンジのメディアだから、この記事の読者のコメントもきっと残念なカンジなんだろうなぁと思ったけれど、そうでもなかった。この記事に限っては、イギリス人も茶化したり皮肉ったりしていないみたい。良かった……。
それにしてもイギリスの博士さん、「水漏れしているのに水を注ぎ続ければ、漏出は永遠に続くだろう」なんて、そんな子供でもわかるようなコトじゃなくて、もっとDr.らしいコメントプリーズ。