2011年6月21日火曜日

キャバリア犬だけはどこでも立ち入りOKな英国

(Men Media記事翻訳)


甘やかされたキングチャールズ・スパニエルの子犬オリバーは、彼が望むこの国のどこへでも行くことができる──国王のお触れ(王法)によって。

だがこの犬の“高貴なフリーパス”は、トラフォードセンター(マンチェスター1番のショッピングセンター)の経営者たちには通用しなかった。彼らは当然のごとくこの犬の入店を拒否したのだ。

オリバーはキングチャールズ・スパニエルだ。17世紀に国王は、彼が好むこの犬種は王国におけるいかなる施設にも完全に立ち入りを許可されるという王の布告を出した。

子供時代の国王チャールズ2世と彼のキャバリアたち。


この布告には、国会議事堂、セント・ポール大聖堂、ストーンヘンジ、ウインザー城、そしてブラックプールタワーも含まれるが、トラフォードセンターは違う。

オリバーの不満げな飼い主のスチュアート・ピットさんはこの店の経営者たちに、王命の詳細を添えて正式な不満の申し立てを行った。

25歳のスチュアートさんは話した。「去年オリバーを買ったとき、私はこの犬種について少し調べたんだ。そしてこの“国王のお触れ “を知ってとても名誉だと思ったよ」

「それで私は、オリバーが私への父の日のプレゼントを買うために、この日に彼をトラフォードセンターに連れて行くのが楽しいんじゃないかって決めたんだ。だが、彼を入店させていいか確認したら拒否されたんだ」

「私は店の人間にこの王法のことを話したが、目が不自由な人ための盲導犬と耳が不自由な人のための聴導犬のみが入店可能だと言われたんだ」

国王チャールズ2世は1600年代に、彼の犬たちを教会に伴わせるためにこの王法を承認したと考えられている。

国王チャールズ2世は、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルをこよなく愛した。


そしてこの王法は、ペットたちが無料ですべての公共交通機関で移動できると定めていたと考えられている。

ケンネルクラブの広報担当者は述べた。「この王法は時々引用されることがあります。書物の中ではチャールズ国王がこの布告を出したと主張されていますが、私どものリサーチでは布告者は不明です」

トラフォードセンターの広報担当者は説明した。「トラフォードセンターは、盲導犬と聴導犬以外のいかなる動物の入店も認めてはおりません。そしてこの規定に例外はありません」

「お客様が使用するすべての建物における衛生的理由のために、この規定は標準的なものなのです」


読後の感想:
個人的にこういう“面白い記事”は読むのも訳すのも楽しい。でもそれは、あくまでもネタとして楽しいだけ。常識が遥か彼方へ置き去りになっているこの手の飼い主はどんな人だろうと思って読んでいたら、25歳の男性とは……正直呆れた。
 “王法によってキャバリアが入店できるのか”ということを店の人に聞いてみるだけなら別にいいけれど、その後店に抗議するという行動がかなり疑問。店側がはっきりと犬の入店を許可して専用カートを置いているならばともかく(それすら厭う、犬を飼っていない人もいるが)、そうでない場所に犬を連れて行くのは非常識。
犬を飼おうと決めたとき、要介護になったときのことを考えて大型犬を諦めてコーギーかキャバリアかで最後まで迷った私にとって、キャバリアは今でも憧れている犬種だから、こういう少しアレな飼い主さんのせいで、その犬種のイメージがネガティブなものになるのは残念だし、まっとうなキャバリアの飼い主さんたちの好むところではないだろう。


キャバリアに関するこの王法に対する外国人の意見は、“Yahoo Answers”でどうぞ。↓

英文記事: Shops centre ban for 'royal' dog June 22, 2002
http://men media.co.uk/manchestereveningnews/news/s/13253_shops_centre_ban_for_royal_dog
参考HP: http://www.cavsbury.com/History.html

キャバリアを溺愛したチャールズ2世が出した命令

Discovery記事翻訳)


映画に登場した小型犬だけが有名なわけではない。例えば、キングチャールズ・スパニエルがそうだ。この愛らしいフレンドリーな犬は、チューダー朝時代の王宮で貴婦人たちにとても人気があった。

だがこの犬の立派な犬種名は、多くのトイ・スパニエル犬を飼育してほぼいつも彼らと過ごしていた、他ならぬ国王チャールズ2世のトイ・スパニエルに注がれた不滅の寵愛の賜物である。

チャールズ国王はこの犬をとても愛していて、英国のいかなる公共の場所でも──たとえ国会議事堂の中ですら、スパニエル犬の立ち入りを許可するという王のお触れを出した。この王法は現在でも変わらない。

スパニエル犬たちは英国内のどこへでも、国会議事堂ですら、
望むままに立ち入ることができる。これは英国の法律だ。


読後の感想:
英国王チャールズ2世のキャバリア犬への愛は有名だけれど、この法律のことは当記事で初めて知った。この記事には、“この法律は現在も変わらない”という記述があるけれど、実際はどうなのだろう?
この法律が現在の英国でどのようなステータスなのか興味がある方は、こちらの“キャバリア犬だけはどこでも立ち入りOKな英国”という記事を読んでみては?

英文記事: King Charles Spaniels

2011年6月19日日曜日

コーギー誘拐事件。名探偵ミス・マープルが解決

(Daily Mail記事翻訳)


92歳の未婚夫人、フローレンス・ベチュレットさんが小旅行から帰宅したとき、飼い犬のコーギー犬が行方不明になっていたので、彼女は飼い犬が逃亡したのだと思った。

止めてあった自動車に、歩行杖を持った女性がコーギーを連れ込んでいたという目撃情報を聞いたとき、(この事件を解決するには)ミス・マープルのような探偵調査が必要かもしれないとベチュレットさんは考えた。

この歩行杖を持った女性に当てはまる人物は、2年半前に仕事を辞めた、ベチュレットさんの元家政婦で介護人だった80歳のベティ・ランドソンだった。


イギリスのジャージー島で誘拐されたメスコーギーのコーラル。

ジャージー島のセント・オーエンに住むベチュレットさんは、膝の手術のためにイギリス本島に戻ると話していたランドソンさんが、実際は出発予定の日にジャージー島から旅立っていなかったこと知った。代わりに彼女はホテルを予約して、もう2日間島に残っていたのだ。このために彼女は、イギリス本島行きの船に乗る前に、コーラルという名のコーギーを誘拐することが可能だったのだ。

「信じられない。ベティはとても良く私の世話をしてくれたの。だから私は、その点に関しては彼女を悪く言うことはしない。彼女はいつも、私よりも多くコーラルと一緒に過ごしていたわ」と、ベチュレットさんは語った。

アガサ・クリスティの未婚探偵ミス・マープルのやり方を真似て、ベチュレットさんは何とかオックスフォードシャー州ファリントンの、この元家政婦の転送先住所を突き止めた。そしてこの情報をテムズバレー警察に伝えた。

警察は、ランドソンさんと3歳のコーギー犬が一緒にいるのを発見した。そしてこの犬をベチュレットさんの元に返す手配をした。だが、この手続きと送料には658ポンドかかる。

「ベティに請求書を送ったわ。もし彼女が払えなければ告訴するしかないわね」と、ベチュレットさんは語った。

(一方)ランドソンさんは、この費用を払うつもりはないと述べた。

「コーラルはちゃんと世話をされていなかったの。だから、私があのコを連れて来たのよ。フローレンスはコーラルのことを、ほとんど気にかけていなかったわ。私は自分がしたことを全く後悔していない。私とコーラルはとても仲良しで、私はあのコと別れるのが寂しかったの」と、ランドソンさんはつけ加えた。

「でも、今回コーラルを一時的に失ったことでフローレンスもわかったと思うわ。これからは彼女、もっとあのコを大切にするでしょうね」

テムズバレー警察の広報官は、この婦人たちが裁判で争うようなことはないだろうと述べた。

誘拐されたコーギーのコーラルと飼い主のベチュレットさん、無事に再会。


外国人のコメント:
「盗みは盗み、この女性は告発されるべきだ。この記事は何が言いたいんだ? 盗みを認めろって言っているのか? むかつくなぁ。それと、警察のトップも変えた方がいい」

「もしランドソンという女性が、このコーギーがちゃんと世話されていないと感じたなら、彼女は保護団体に連絡すべきだったのよ」

「コーラルは痩せた方がいいと思うわ! このコが3歳って信じられない。でも、すごく可愛い犬!」

「この記事だが、なぜこのコーギーの指示代名詞に“it(それ)”を使うんだ? この記事を書いている人間と同様に、この星の全ての犬には性別があるんだぞ。だからこの犬は“彼または彼女”だ」

「老婦人同士がこんな争いなんて、良くないわね」

「酷なことを言いたくないけど、92歳の女性と3歳のコーギー? 明らかに彼女、この犬を生涯に渡って世話してあげられないじゃないか。この犬を里子に出す良い家を彼女が知っていることを望むよ。こういう高齢者が子犬を飼うのってどうなんだろう。家と愛する飼い主を失ったら犬たちは悲しむぞ」

「犬を盗むのは犯罪だ。まぁ、ベチュレットさんはランドソンさんにチャンスを与えてあげて、ランドソンさんはありがたく思って反省すべきだな。で、かかった費用を返すべきだ。さもなければ、彼女の行為は罰せられるべきだ。その場合は警察がちゃんと役目を果たすことを願いたいな。他の人間もこの記事から学んで欲しい」

「もしランドソンさんが犬を欲しければ、レスキューセンターにたくさんいるだろ。犬を盗むなんてとんでもないことだ! この犬が飼い主の元に戻れてなによりだ」

「気の毒に。どちらの女性もコーラルをとても愛しているのね。ベチュレットさんが亡くなったとき、彼女がこの若い犬を託せるランドソンさんのような人がいることを祈るわ。彼女たちが、こういう取り決めを話し合わなかったことが残念よ。何て美しい犬なのかしら。確かにこのコなら、愛情の綱引きの対象になるわね!」


読後の感想:
 コーギー+探偵風味な私好みの記事なのでワクワクしながら読んでいたら、外国人読者の意見が結構シビアで少し驚いた。もちろん他人の犬を盗んだら泥棒だけれど、この犯人の場合は情状酌量の余地があるような……。
確か、”権利の主体になれるのは人間だけで、動物は権利の客体”だという。つまり、日本では犬は物扱い。だからもし愛犬を盗まれても、日本では誘拐ではなくて盗難ということになるのだと思う。
初めてウチのコーギー連中を電車に乗せたとき、270円の”手回り品切符(荷物用の切符)”が必要だったけれど、そのときに「あぁ、犬って荷物なんだなぁ」と、なんともいえない気分になったことがある。旅行前は”犬用のグリーン券ってどうやって買うの?”と本気で心配していたけれど、犬は”荷物”だからグリーン券など必要なかった。目的地までの車中、座席の足元に置いた犬用キャリーカートの中で大人しくしてくれている2匹に対して、なんだか申し訳ないような気持ちになったのを今でも覚えている。
海外の法律でも犬は物扱いなのかな?

英文記事:
Corgi-napped! Dog owner, 92, does a Miss Marple to solve the mystery of her missing pet
By David Wilkes and Claire Ellicott Last updated at 11:23 PM on 21st March 2010
http://www.dailymail.co.uk/news/article-1259631/Corgi-napped-Dog-owner-92-does-Miss-Marple-solve-mystery-missing-pet.html